書籍のご案内

デジタルエコノミーと経営の未来
―Economy of Wisdom

著者名: 三品 和広・山口 重樹(共著)
出版社: 東洋経済新報社
発行日: 2019/06/28
価 格: 1,470円(税込)
頁 数: 215頁
サイズ: 14 x 2 x 19.7 cm
ISBN-10: 4492961631
ISBN-13: 978-4492961636

書籍の内容

 「デジタルエコノミー」や「データ・ドリブン・エコノミー」といった言葉への言及が顕著になる昨今、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドットコム)や、BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)など、大量のデータを収集・蓄積し、活用している企業が、グローバル経済に大きなインパクトを与えている。

 

 激変する環境の中で、企業成長における本質要因を解明し、データを価値に転換する者が生き残る「エコノミー・オブ・ウィズダム」の時代の戦略の真髄を豊かな展望と洞察のもとに描き出すのが本書である。

 

 神戸大学大学院経営学研究科の三品和広教授(第1~2章)は、本書において、近年盛んに喧伝されている「第四次産業革命」について冷静に捉え直し、産業革命を例に、それが戦略と不可分の関係にあることを明示する。同時に、過去の経営戦略論、複数の企業が浮沈した事例をひもときながら、事業の命運が事業立地の選択によって左右されるとする。

 

 前二章を踏まえ、NTTデータの山口重樹代表取締役副社長執行役員は、デジタルエコノミーの本質とビジネスや経済、社会システムに中長期的にもたらすインパクトを正確に見極める必要があるとし、デジタルがつくり出す仕組みとデータを活用する智恵、「デジタルウィズダム」の力を高めていくための視点を大胆に提示する(第3~4章)。そこでは「財・サービス」「プロセス」「認識」「意思決定」の四つの要素のデジタル化がビジネスの進化の重要な契機をなすとし、デジタルが創り出す仕組みとデータを活用するウィズダムを合わせ持ち、イノベーションを牽引する企業の事例を効果的に引きつつ、新たなテクノロジーをいかにビジネスに適用していくべきかを示す。

 

 最終章では、三品・山口両氏による対談において、経営者は何を思考し、いかなる戦略を実行する必要があるかなどを議論する。

 


【著者について】

三品 和広(ミシナ カズヒロ)

神戸大学大学院経営学研究科教授

1959年愛知県生まれ。82年一橋大学商学部卒業。84年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。89年ハーバード大学文理大学院企業経済学博士課程修了。89年ハーバード大学ビジネススクール助教授。北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科助教授等を経て、現在、神戸大学大学院経営学研究科教授。著書に『戦略不全の論理』東洋経済新報社、2004年(第45回エコノミスト賞、第21回組織学会高宮賞、第5回日経BP・BizTech図書賞受賞)、『経営戦略の実戦1:高収益事業の創り方』東洋経済新報社、2015年、『モノ造りでもインターネットでも勝てない日本が、再び世界を驚かせる方法――センサーネット構想』三品和広+センサー研究会(著)、東洋経済新報社、2016年、『経営戦略の実戦3:市場首位の目指し方』東洋経済新報社、2018年

 

山口 重樹(ヤマグチ シゲキ)

株式会社NTTデータ代表取締役副社長執行役員

公益社団法人企業情報化協会 副会長

1961年兵庫県生まれ。84年一橋大学経済学部卒業、同年日本電信電話公社入社。製造業、小売・流通・サービス業でのシステム開発、新規事業創出に従事し、特にコンサルティング、ERP、Eコマース、オムニチャネル、ペイメントの拡大に注力。近年は中国・APAC地域での事業拡大、デジタルソサエティーの実現に向けた取り組みも推進。2013年 執行役員法人コンサルティング&マーケティング本部長、16年常務執行役員 ITサービス・ペイメント事業本部長、17年取締役常務執行役員を経て、2018年6月より現職。

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